先日とある講演会に行きました。
その道の専門家や勉強をされている途中の方、そして専門外の私のような人も集まる場所でした。
そしてその講演の内容は、私にはちんぷんかんぷん。
何だか置いてけぼりの気分でした。
専門知識の出し方
例えば税理士が税理士に講演する場合。
講演する側の先生はとても気を使って喋っておられます。
「先生方はもちろんご存知のことと思いますが~」
「先生方にいちいち説明するのもおこがましいことですが~」
前置きがとても長い。
確かに気分を害される方もいらっしゃるのでしょう。
でも、基本教えてもらう側で講演を聞きに来ているのだから、気分を害する必要なんてないはずです。
専門家対専門家は、どうしても難しい専門用語の応酬になり、いかにハイレベルかを競うようなことになってしまいます。
今回出席した講演のように、初心者と専門家の混じった講演は、講演される側は落としどころが難しいのは確かです。
でもこんな場合は、やはり初心者に合わせる方がいいと思うのです。
難しい言葉と権威の関係性
以前医療機関に勤めていた時、東京の有名な大学病院の先生をお招きして講演をお願いしたことがありました。
そのときの招待客はドクターばかりです。
私は経験上、きっと退屈な(失礼)講演になるだろうと、タカをくくっていました。
でもその先生は違いました。
最初から最後まで、ほとんど専門用語を話さず講演されたのです。
そして専門知識のない私にも、そのお話は面白く引き込まれるものでした。
「この先生はスゴイ」と思いました。
もちろん、招待客のドクターも拍手喝采です。
専門用語を使わないことを揶揄する人なんていません。
これは、その先生の名声や勤務されている病院の肩書があるからできたことではありません。
きっとその先生の名前を知らない人でも、凄さは伝わるはずです。
誰にでも伝わる平易な言葉で説明ができるのは、伝えたい事柄の本質を理解し、内容を熟知していないとできないことだからです。
まとめ
人は誰でも自分のことを、自分以上に見せたいものです。
私もツイツイ見栄をはることがあります。
後からそんな自分が「小さいなぁ」と感じます。
でも見栄をはっても相手に伝わらなければ意味がありません。
自己満足で専門用語たっぷりに話し終えたら、相手はいかにもわかった風にうなずいてくれるでしょう。
でも心の中では”なんのこっちゃ”としか思ってないものです。
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