「頼りになる部下がいない」
「任せられる職員が少ない」
こんなお悩みは多いかもしれません。
本当にできる人が減ったのか?
もうかれこれ15年以上前のこと。
私の働いていた部署に一人の女性が入社して来られました。
とてもまじめ。
天然で機転が利かない。
電話が鳴ると緊張で、立ち上がり座って話すことができない。
質問事項がまとめられず、話が明後日の方向にいってしまう。
言い出したらきりがありません。
そして、周りの評価は「残念な人」
私も正直、「今回の採用は失敗だなぁ」なんて偉そうに思っていました。
任せるのが不安で、当たり障りのない仕事だけ頼むように。
ミスは山ほどするのですが、一生懸命。
もういっぱいいっぱいなのは、見ていてもわかります。
本人も悩んでいるのが伝わってきて、これは放っておいてはいけない、と感じました。
一つづつ丁寧に、もう微に入り際にわたって説明します。
やって見せて、やってもらって、注意して、またやって見せて・・・
山本五十六の世界です。
お互い根気がいる仕事です。
しかも相手は同年代。
何故こんな簡単なことができないのか。
私も若くすぐキレてしまいそうな自分との戦いです。
上から目線
毎日同じことを繰り返して、私のうっ憤は溜まっていく一方です。
時々先輩に愚痴を聞いてもらいながら、仕事をしていました。
そんなある日、その子が自分のことを話し出しました。
いつも無口であまり喋らない子だったので驚きです。
「あ~、話せない環境を作ってたんだ」
とその時初めて気づきました。
家庭のこと、もっと仕事ができるようになりたいこと、
将来のこと、色々話しました。
で、自分が何もわかってなかったことに気づきました。
その子にもちゃんと能力はあったのです。
でも”できない人”という色メガネで見て、見落としていたことに。
「あかんなぁ、自分」
と反省しました。
それから少しづつですが、その子は仕事ができるようになり、自信が出てきて、見違えるように明るくなりました。
その子の明るさを奪っていたのは私でした。
まとめ
本当に自分の若い頃の話は、冷や汗をかいたり、赤面するようなことばかりです。
「自分の若い頃は」
「最近の若い子は」
なんて、ついつい言ってしまいそうになったら、思い出します。
できない部下が多いのは、その子の能力を引き出す能力がないだけです。
もちろん、本人にヤル気がなければできません。
それも含めて、それぞれと真剣に向き合う。
上からでも下からでもなく正面から。
「この子にも必ず才能がある」
そう思って接していけば、必ず芽が出てくるものです。
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